「私的和讃(わさん) ~ほとけ ほめうた~」 

※「和讃」…仏や菩薩、仏教の教えなどを、七五調風の和語によってほめたたえる歌。ちなみに漢讃
 や漢語で、梵讃は梵語(サンスクリット語)で書かれたもの。親鸞(しんらん)による和讃は、4句1首。
 「親鸞聖人(しょうにん)の場合は、和讃を『和(やわ)らぎ讃(ほ)め』と読んでおられるように、文字を
 知らず読み書きのできない当時の民衆のために、お経や論書などの重要な文意をかみくだいてわか
 りやすく、おぼえやすくしたものということができる」(『お経 浄土真宗』<早島鏡正、田中教照 編著。
 講談社 刊>)。

※参考文献:『書いて学ぶ親鸞の言葉 和讃』(東本願寺出版 2013)、その他「私的正信偈」と同様。

※2句ごとに、メロディーをつけた。2拍子。
 ギター演奏はストロークで↓↓↑・↓↓↑(ジャンジャカ・ジャンジャカ)。

※第1章2句までの楽譜

(修正中)
         
第48首(ラスト)へ

第1首 第1句 原文「弥陀成仏の このかたは いまに十劫を へたまえり」

             みだじょうぶつの このかたは いまにじっこうを へたまえり

法蔵(ほうぞう)という名前で、菩薩(ぼさつ。仏になることに「挑み続ける」存在)として修行を頑張り、

ついに阿弥陀仏になられてから現在まで、はかりしれない長い時間がたちました。


第1首 第2句 原文「法身の光輪 きわもなく 世の盲冥を てらすなり」

            ほっしんのこうりん きわもなく よのもうみょうを てらすなり

阿弥陀仏のまことの教えのまま生きる身が放つ光は、世界中を輝かし、苦しみや迷いの闇を照らしているの

です。


第2首 第1句 原文「智慧の光明 はかりなし 有量の諸相 ことごとく」

             ちえのこうみょう はかりなし うりょうのしょそう ことごとく

阿弥陀仏の放つ智慧(ちえ)の光明は、はかりしれない広い世界に広がり、すべての生きとし生けるものは、

ことごとく…


第2首 第2句 原文「光暁かぶらぬ ものはなし 真実明に帰命せよ」

             こうきょうかぶらぬ ものはなし しんじつみょうに きみょうせよ

朝日の光のように照らされないものはありません。だから、まことの智慧の光明を放つ阿弥陀仏を敬いましょう。


第3首 第1句 原文「解脱の光輪 きわもなし 光触かぶるものはみな」

             げだつのこうりん きわもなし こうしょくかぶるものはみな

煩悩から解き放たれ脱却して悟りを開いた身が放つ光は、世界中を輝かし、その光に触れたものはみんな…


第3首 第2句 原文「有無をはなると のべたまう 平等覚に 帰命せよ」

             うむをはなると のべたまう びょうどうかくに きみょうせよ

「存在すること(例えば「色。しき」)と存在しないこと(例えば「空。くう」)の両極端にとらわれなくなりますよ」と

おっしゃっています。だから、すべての生きとし生けるものが平等であることを説く阿弥陀仏を敬いましょう。


第4首 第1句 原文「光雲無碍 如虚空 一切の有碍に さわりなし」

             こううんむげ にょこくう いっさいのうげに さわりなし

大きな空に広がる雲のような阿弥陀仏の光明は、一切の煩悩にさまたげられることはありません。


第4首 第2句 原文「光沢かぶらぬ ものぞなき 難思議を 帰命せよ」

             こうたくかばうらぬ ものぞなき なんしぎを きみょうせよ

地を潤す雨のような光明に照らされないものはありません。だから、人知を超えた阿弥陀仏を敬いましょう。






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